誇れる父

2025.04.02

私的な事なのでここに書くのを迷いましたが、私の大切なルーツでもあるので、報告することに致しました。お許し下さい。

3月父が亡くなりました。94歳、天寿を全うしたと言える年齢なのですが やはり現実になると寂しいものです。

公務員だった父はまさに「昭和のおやじ」。高度成長期の真っただ中、仕事人間でありました。ロングピースが好きなヘビースモーカーで、お酒も大好き、週末には徹夜麻雀 ゴルフ 釣り・・・・。公務員という職業の信奉者でした。

お堅い仕事柄か?時間を守ること、整理整頓、休みでも寝坊などもっての外、と現代の優しいパパさんとは逆の厳しい父でした。お米のとぎ方にこだわり、日曜の朝はごはんにお味噌汁、納豆、干物と決まっていました。顔を合わせるのは、大体お小言を貰う時・・・そのトラウマで大人になっても父との会話は緊張して話題にも事欠く感じでした。でも孫が出来てからは、自然と孫の話で会話が広がって…やはり孫は可愛いらしい((笑)。

多くを語らぬ父でしたが、私の踊りの師匠でもある母が亡くなって13年、母に替わって私や翔央の踊りの応援をしてくれました。私のリサイタルにはお客様用に送迎バスをチャーターしてくれ、ロビーでは馴染みのお弟子さん達と談笑して和ませてくれました。母が主宰していた頃の「藤の花会」の受付はいつも父でしたので、古いお弟子さんや知人も父がいると安心してくれました。その姿を見て私の旦那さまが継承してくれているのは、有難いことです。

舞台の感想は身内だけに、よかった、つまらなかった、ハッキリと云いました。言われた時はカチンと来たり、落ち込んだり・・・。気に入った舞台はDVDをよこせ、と言って自分の家に持って行って観ていました。

亡くなる10日前に一度入院して、2週間後退院してきましたが、「生きるのもしんどいなぁ」とポッツと・・・。

それでも、食事をしっかりとり、洗濯も自分でやり、箪笥の中もキチンと整理され、掃除もしてあって、男所帯とは思えぬ綺麗さ、頭が下がりました。94歳、最後の最後まで凛々しく生きた父でした。

今頃は大好きな母と二人で楽しくやっていることでしょう・・・。パパ、本当にお疲れ様でした。ありがとう。