5年ぶりの一門の発表会「藤の花会」を開催します|2023/1/7(土) 国立劇場小劇場

2022.11.15

この度、当教室では5年ぶりとなる一門の発表会「藤の花会」を、東京・半蔵門の国立劇場小劇場にて開催いたします!

おかげさまで今回の発表会は、もうすぐ建て替えとなる国立劇場の舞台に立つことができる最後の機会(!)ということで出演希望者が多く、26番組27名、11:00〜21:00近くまで途切れず出し物が続く大掛かりな会となりそうです。

 

藤間翔央は、舞踊界の第一線でご活躍中の花柳寿美藏さんの胸をお借りして、「将門」の傾城如月(きさらぎ) 実は 滝夜叉姫に挑戦します。

この「将門」は、大がかりな傾城のこしらえで、男を口説く女の妖しい色気に始まり、父を討たれた無念さや腹に隠す仇討ちの心を見せつつ、正体を見破られた後は戦いとなる・・・という、腹のある芝居が必要な、いかにも古典らしい舞踊劇です。

翔央がこうした歌舞伎舞踊らしい演目を勉強するのは初めてですが、果たしてどうなるでしょうか。

 

藤間恵都子は、故・藤間章作先生 振付の「瓢箪(ひょうたん)」を踊らせていただきます。何かこれまでにやったことのないものを、ということで取り上げた演目ですが、やわらかく、大らかな空気感で晴れの日の締めくくりとさせていただければと思っております^^

ぜひ新年最初の舞台鑑賞として、一門の晴れ姿を応援にいらしていただけましたら幸いです。ご来場、心よりお待ちしております。

▼チケットのお申し込みはこちらよりどうぞ!
(藤の花会ご希望の旨とチケットの枚数、送付先をお知らせください)

 

ざっくりと、プログラムのご紹介

11:00に開演。冒頭は「蓬莱」に続き、「水の彩」「春三題」と題して、振袖などで踊る小曲中心の演目を上演します。藤間恵都子門下の大人に混じり、日舞っ子教室の子ども達も初舞台に臨みます。

12:00ごろ予定の「梅の栄」以降は、かつらや本衣裳、白塗りの化粧まで、本格的にこしらえをした形で古典作品を上演いたします。「藤娘」までの4番は、全員初舞台!ぜひ温かく応援いただければ幸いです。

14:00ごろ予定の「申酉」は、主役の芸者の艶やかさに、とんぼを切る若い衆や獅子舞が花を添え、華やかな江戸のお祭りの風情を楽しめます。
日本舞踊の作品のなかでも有名な「鷺娘」は、雪の舞う中で白無垢姿の娘がたたずむ幻想的な幕開きから、途中一瞬で衣裳が変わる“引き抜き”、二本の傘を使っての華やかな踊りを経て、鷺の姿となって地獄の責苦にさいなまれる幕切れまで、目が離せません。

16:00ごろになるかと思われる「執着獅子」では、新名取が名披露目にふさわしく、豪華絢爛な傾城姿で登場します。両手に紅白の扇獅子を操ったかと思えば、振り鼓で軽やかに鈴の音を響かせ、やがて扇獅子にひかれて花道へ・・・三味線の聞かせどころ“大薩摩(おおざつま)”に聞き入っているうちに、いつしか傾城は獅子の姿に変わり、長い毛を振って華麗な幕切れとなります。

続く「楠公」は、藤間恵都子の母・藤間勘十代がなかなか習うことを許されなかったという、一門において大切な演目です。楠木正成の大きな存在感、先のある我が子を思い、戦場から去らせる父の情愛、敢然と敵に立ち向かう武士の腹・・・この深みのある曲を、最低限のこしらえで演じる“素踊り”形式で踊ります。

その後の「年増」では、駕籠(かご)から登場するあだっぽいお歯黒(おはぐろ)姿の年増女(といってもそれは昔の基準の”年増”。実は30歳くらいなんだそうですよ!)が、自分の男を他の女と争った様子を語る仕方話(しかたばなし)を見せ、「女伊達」では、尺八一本で喧嘩相手の男たちを軽くいなす粋な女伊達(弱きを助け強きをくじく女侠客)の色っぽさと颯爽とした立ちまわりをお楽しみいただけます。

やがて19:00台には、恋人を亡くし、悲しみのあまり狂乱した男が、恋人の形見の着物を抱いて春の野をさまよいながら、時に蝶のつがいをうらやましく思い、時に恋人との幸せな時間を思い出し、時に恋人の死を嘆き涙する・・・という「保名」が上演されます。長袴をはいた男が春の野をさまよう舞台面の美しさが、哀れさをいっそう引き立て、余韻を残します。

そして「将門」。歌舞伎でも上演される大古典の歌舞伎舞踊です。

時は平将門が討たれた後。妖怪が出ると噂の古御所でまどろむ大宅太郎光圀(みつくに)のもとに、どこからともなく妖艶な傾城が現れ、みそめて追ってきたと恋心を語ります。怪しむ光圀ですが、疑いを解いたふりで将門を討った戦の話をすると、女の目に涙が。光圀に問い詰められた女は廓話ではぐらかそうとしますが、やがて懐から何かが落ち・・・大掛かりな衣裳かつらのこしらえ、互いに騙そうとする二人のセリフのやり取り、最後の立ちまわりなど、見どころが盛りだくさん!見応えのある大作です。

締めは会主による「瓢箪」です。藤間章作先生の温かみのある、味わい深い振付の作品をお届けし、会の幕とさせていただきます。

藤の花会は自由席、途中入退場や再入場も自由となります。

最初から最後までずっと見るもよし、気になる演目だけを狙って見るもよし、午後からゆっくり出かけるもよし。

ぜひそれぞれの楽しみ方でご覧ください!^^